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研究グループによると、「北極の極渦は南極に比べて不安定なため、南極のようなオゾンホールにまでは発展しない半面、形が変化して南下したり、断片がちぎれたりして、日本を含む中緯度地域上空でもオゾン濃度が低下するケースがある。
今回、北海道上空でオゾン濃度が低下したのもこのためと考えられる」としています。
ただし、ここ数年、北半球でもオゾンホールが出現しているという情報もあります。
たとえば、北極、チベット、スカンジナビア半島上空などです。
これは次の2つの原因によって、オゾン層付近の温度が低下し、南極と同じような条件がつくり出されるためと考えられます。
オゾンが破壊されることで紫外線の吸収量が減って、オゾン層付近の温度が下がる。
地球温暖化は地表付近の気温も上昇させる一方で、成層圏(オゾン層付近)の温度を低下させる。
NASAは、「97年4月8日に北極圏のオゾンが40%減少していた」と発表しています。
オゾン層破壊の原因オゾン層の破壊の直接原因は、フロンという化学物質です。
フロンというのは実は日本語で、正式にはCFC(シーエフシー)と言います。
CFCとは、クロロフルオロカーボンの略です。
クロロは塩素、フルオロはフッ素、カーボンは炭素のことです。
フロンは、空気中に排出しても分解せずに長期間地上付近に漂い続けます。
フロンがオゾン層に到達すると、大気中をさまよっていた時とは比べものにならないくらい強烈な紫外線を浴びることになります。
フロンは地上にあるときは、非常に安定していて分解することはありません。
しかしこんな安定しているフロンでも、オゾン層付近の紫外線を浴びると分解してしまうのです。
さて、ここからがポイントです。
普通の化学反応は、2つの物質が反応して1つの物質ができるとか、せいぜい3つの物質から2つの物質ができる程度のものです。
ところが、フロンの分解によって塩素という原子が飛び出し、この塩素原子が連鎖反応で次々にオゾンを破壊してしまうのです。
塩素原子がオゾンを破壊する→再び塩素原子が飛び出す→別のオゾンにとりつき破壊する→またまた塩素原子が飛び出す→そして、またまた別のオゾンを破壊する。
こんなイメージです。
こうして1個のフロンが大量のオゾンを破壊してしまうのです。
ところで、フロンというのはオゾンとは正反対で、陸上では毒性が極めて低いのです。
人間が飲んでも害はないし、物を腐らせたり、錆びさせたりもしません。
そのために、重宝されていろいろな用途に使われてきました。
フロンは大きく分けると、次の3つの用途で使われてきました。
冷やす冷媒として、つまり冷やす働きをするものとして、冷蔵庫をはじめエアコン、カーエアコン、ジュースやビールの自動販売機に使われています。
発泡させる(断熱する)すぐに気化する性質を利用して、スプレー(エアゾール)や、発泡ウレタンとか発泡スチロールに使われています。
この発泡ウレタンや発泡スチロールは、断熱材として使われています。
フロンというのは熱を伝えにくい性質があるので、冷蔵庫や自販機などの断熱材の中に入っているのです。
洗浄する洗浄剤として、ICなどの電子部品や精密機械などの洗浄に、そしてドライクリーニングにも使われてきました。
このように、フロンは人間の生活にとって、なくてはならないものとなっていました。
しかし、どんどん捨てられて、オゾン層を破壊するようになってしまいました。
フロンが問題になるのは、使っているときよりも、捨てられた後なのです。
フロン1個でオゾン10万個を破壊!フロンは100種類くらいありますが、1個で10万ものオゾンを破壊するものがあることが分かっています。
これは、ひとりの単身赴任者がやってきただけで、10万人の都市が全滅してしまうほどの破壊力です。
東京都でさえ、全滅させるのに100人程度で十分なのです。
このことが世界中に知れ渡り、しかもオゾンホールが年々大きくなってきました。
そこで、とうとう世界的に規制されて、CFCが製造できなくなったのです。
具体的に言うと、1995年の末をもって15種類のCFCが全廃されました。
同時に、四塩化炭素とトリクロロエタンという塩素系の有機化学物質が、CFCと同じくらいオゾン層を破壊するとして全廃されました。
また、塩素の代わりに臭素がくっついた3種類のハロンという化学物質は、フロンよりもオゾン層破壊の力が3〜10倍も大きいこともあって、1994年に全廃されています。
代替フロンHCFCCFCがオゾンを破壊するのは、「CFCが非常に安定なため、大気中(正確には対流圏)で分解することなくオゾン層に到達してしまう」からです。
だとすると、オゾン層に到達する前に分解してしまえばいいわけです。
そのように考えてできたのが、代替フロンHCFCです。
しかし、10分の1くらいがオゾン層に届いてオゾンを破壊することが判明し、この代替フロンHCFCも2020年に実質全廃が決まっています。
しかもHCFCは、温暖化の力が二酸化炭素の4000倍もあることが分かっているので、恐らくもっと早い時期に全廃されることになるでしょう。
代替フロンHFCオゾン層破壊の原因は、フロンの中の塩素でした。
つまり、塩素が入っていなければオゾン層は破壊されないはずです。
そこで、化学者は塩素のないフロンを作ろうと考え、その結果生まれたのがHFCという代替フロンです。
これはHCFCから最初のCつまり塩素をなくしたものなのです。
最近、電気屋さんで多く見かける自称「地球にやさしい冷蔵庫」のカタログに「HFC−134a使用」と書かれています。
HFC−134aは、塩素の入ってないフロンの一種なのです。
確かに、HFCは塩素が含まれていないのでオゾン層を破壊しません。
ところがこの物質は、「地球温暖化の力が二酸化炭素の3000倍以上もある」ことが分かったのです。
そして、濃度は薄いものの、最終的にはフシ酸という酸性雨として降ってくることが考えられます。
このフシ酸は酸性雨の酸化力を著しく高める可能性があります。
このため、恐らくこのHFCも、近い将来使えなくなることは確実でしょう。
オゾン層はこれからどうなる?オゾン層破壊は予測されていた。
実は、前もってオゾン層破壊を警告していた科学者がいるのです。
アメリカのL博士とM博士という2人の科学者が、1974年に警告を出していました。
「このままフロンを捨て続けると10年後にオゾン層に穴があき、20年後には人体に被害が出て、30年後に取り返しのつかないことになる」という内容でした。
しかし当時は、ほとんど無視されて、迫害に近い状態だったそうです。
このようなことは、歴史的にみてよく起こるようです。
たとえば、L・Kという人はその典型です。
30年も前に、彼女は『沈黙の春』という本を書きました。
「農薬を使うと、その影響でやがて春が来ても烏が鳴かない沈黙の春が来る」という内容でした。
非常に科学的で洞察力にあふれるものだったのですが、まったく無視されて、失意のまま彼女は翌年に亡くなってしまったのです。
そして、いま頃になって彼女の評価が高まってきています。
環境ホルモンの問題も、彼女の警告を真筆に受けとめていれば、回避できた可能性が大きいのです。
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